熱可塑性プラスチック
樹脂を加熱し外力を加えることで可塑性の性質が出る樹脂を熱可塑性樹脂といいます。日常製品や工業用に使われるプラスチック部品には熱可塑性樹脂が多く使用されており、「汎用プラスチック」と高性能で、耐熱性や強度などに優れた「エンジニアリングプラスチック」に大別されます。
スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)
スーパーエンプラ(スーパーエンジニアリングプラスチック)はエンプラに比べ、機械的特性、耐熱性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐薬品性等がさらに優れており、大変高価なものが多い熱可塑性樹脂です。エンプラの出現以降、金属代替品としてのニーズを受けて、更なる耐熱性や難燃性が求められるようになり、耐熱性能は150℃以上になります。
代表的な製品として、切削抵抗が小さく、寸法安定性や低バリ性に優れており、コネクタや検査治具として使用されているスミカスーパーや樹脂の中でも多方面において高機能を発揮し、航空宇宙、半導体、医療などの先端分野の装置部品等を支えるPEEKなどを取扱っております。
・PPS ・PTFE(4F、テフロン) ・PCTFE(3F、ダイフロン) ・PVDF(2F)
・PSF(ポリサルホン) ・PES(ポリエーテルサルホン) ・PI(ベスペル・カプトン)
・PAI(ポリアミドイミド) ・スミカスーパー(全芳香族ポリエステル)
・PEEK ・セプラ(全芳香族ポリイミド)
三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ㈱/クレハエクストロン㈱/東レプラスチック精工㈱/ニチアス㈱/淀川ヒューテック㈱
ポリフェニレンサルファイド(PPS)
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
|加工事例の紹介
耐熱性や耐薬品性に優れた特性が求められるテフロンを使用した半導体製造装置などの部品として加工
耐摩耗性や機械的強度に優れた特性が求められる製造装置などの機械部品として丸棒を旋盤加工
エンジニアリングプラスチック
エンプラ(エンジニアリングプラスチック)は汎用プラスチックの弱点だった強度や耐熱性などの問題をクリアした熱可塑性樹脂です。使用温度や強度の点で、金属と汎用プラスチックの中間的な位置にあり、軽量化と低コストを実現し、耐摩耗性があり、耐熱性能は約100℃以上になるため、信頼性も高く、工業用部品としても用いられています。
代表的な製品としては、耐衝撃性や耐摩耗性、自己潤滑性もあり、歯車や軸受け等の機構部品として使用されているPOMがあり、それ以外にも下記材料を取扱っております。
・PA(ポリアミド、ナイロン、6N、66N)・PC(ポリカーボネート)UHMWPE(超高分子量PE)
・変性PPE・PET・PBT・キャストナイロン(MCナイロン)・ユニレート
・POM(ポリアセタール、ジュラコン・コポリマー、デルリン・ホモポリマー)
三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ㈱/クレハエクストロン㈱/住友ベークライト㈱/大日製罐㈱/東レプラスチック精工㈱/ナック・ケイ・エス㈱/三菱ケミカル㈱/三ツ星ベルト販売㈱/ユニチカ㈱/作新工業㈱
ポリアセタール(POM)
モノマーキャストナイロン(MCナイロン)
ポリカーボネート(PC)
|加工事例の紹介
耐摩耗性や耐衝撃性に優れた特性が求められる軸受けなどの機構部品として丸棒を加工
摺動、耐熱などのグレード品があり特徴に応じた用途で用いられるMCナイロンの加工例
汎用プラスチック
汎用プラスチックは比較的安価でありながら機械的物性、優れた成形性、加工性を有し、耐熱性能は100℃程度で絶縁材用途以外にも生活用品から工業製品まで幅広く使われています。中でも低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)は安価で生産量も多いため5大汎用樹脂と呼ばれています。
・PE(ポリエチレン) ・PVC(塩ビ) ・ABS ・PMMA(アクリル) ・PP(ポリプロピレン)
㈱カナセ/住化アクリル販売㈱/住友ベークライト㈱/積水化学工業㈱/タキロンシーアイ㈱/東レプラスチック精工㈱/
ナック・ケイ・エス㈱/㈱レゾナック/三菱樹脂㈱/三菱ケミカル㈱
ABS
ポリエチレン(PE)
ポリプロピレン(PP)
|加工事例の紹介
透明性や耐衝撃性を有しており様々な用途で用いられるアクリルのマシニング加工例
耐食性や耐久性に優れた特性が求められる耐熱塩ビ材を使用した軸受けなどの部品としてマシニング加工